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10/15-11/27 開催 商店街をお散歩しながら楽しめるトビチ美術館(入場料無料)

10/15-11/27 開催 商店街をお散歩しながら楽しめるトビチ美術館(入場料無料)

長野県 辰野町のトビチ商店街にまた、夜も光が灯る店舗が増えている…?!

移住してから4年。出産里帰りのため、住んでいる長野県辰野町を4ヶ月間も離れていた。久しぶりに辰野町の商店街に降り立つと、「ボンジュール!」とフランス人の女性がまちを歩いていたり、閉まっていた店舗から無人ではありながらも、ジャズ音楽が聞こえ、そこにはアーティスティックで普段目にしないような本たちが並んでいる…

どういうこと…(?)

しばらく商店街界隈を離れていたので、今回商店街でいま何が起きているのかよくわからない。
謎を解明するために、ギャン泣きする3ヶ月の子どもをベビーカーに乗せながら、まちを歩いてみました。

今回のまちの変化は、昨年から始まったトビチ美術館によるものだという。ふむふむ

トビチ美術館とは
2021年より、アートや文化が暮らしのなかに普通にあることを目指し、10年かけて行う企画です。開催期間中は、商店街全体を美術館に見立てて、空き店舗・空き家をギャラリーになります。

今年のテーマは
地域の空き家から出てきて、捨てられてしまった古い道具、建具などの品々。
それらを拾い集め、「空き家の幸」と称し、再び光を当てる。
商店街エリアを美術館にみたて、空き家・空き店舗を会場に
国内外のアーティストの手で空き家の幸を再び日常に溶け込ませていく。
世界中からデットストックのアートブックが大集合。
日本でここでしかみられないアートブックも。
アップサイクルによって、地域にあるリソースを再発見・再編集する1ヶ月。

 

では平日の日中、チラシの裏のマップを見ながら回ってみます。

まずは、JR辰野駅から一番近い、⑥旧吉江(ヨシエ)邸から。

建物に入った瞬間…圧倒。本当に圧倒されます。
アーティストは、島田佳樹さん。

せっかくなので、全体をご自身の目で見て欲しいので、一部切り取った写真を載せます。これはなんでしょう?そうです、ゲタです。こちらの会場の旧吉江(ヨシエ)邸は通称ゲタ屋さん。今回のテーマである空き家の幸である下駄を元々扱っていらっしゃったことや、辰野町に来たタイミングで7年に1度の御柱祭を目にしたことも、影響を受けた作品になっているようです。会場は2階まであり、びっくりする仕掛けがたくさん!会場の片付けからされていた島田さん、作品から伝わってくるパワーがすごい…。

 

 

次は③のブラザーミシンと、⑦のサンスペース・白木屋です。

世界各国&日本中から集めたアートブックたち(!)が並んだ、24時間自由に入れるライブラリー。(2店舗のうち、白木屋さんは家主の行動時間によってオープン&クローズします)

本棚もめちゃめちゃ素敵…(制作は、空間美術館館長/アーティストの千田泰広さん、早稲田大学院で建築を学ぶ若きアーティストの高相拓己さんによるもの)ブラザーミシンは24時間入れる。無人なのに流れるジャズが心地よい。

扱っている本は、世界中・日本各国でデットストックにより寄贈されたもの。日本でここでしか読めない本もあるらしいです…(まじすか)本好き、アート好きにはたまらない空間です。

古物、こんな使い方できるんですか…
白木屋さんは家主の行動でオープン時間が変わるのも、生活に馴染むトビチ美術館ならでは。

 

この日はいいお天気!JR辰野駅から800メートルくらい歩いて、横断歩道を渡ります。

お、建物の前にチラシがありましたよ!各会場には、印としてチラシが貼られています。

 

ここは②のgallery tooo。

アーティストは、素材アーティストの村上結輝さんの会場です。

この方、魔法使いみたいでして…身近な廃材、例えばバナナの皮を使ってレザーを作ったりしてしまう素材アーティストです。

今回は、辰野町から淹れ終わったコーヒーのカスを使って制作されたアート作品などを展示しています。
1Fも素敵な展示になっていますが、そちらの展示は地下1Fです。そこでは動画で制作の様子が見られるので、ぜひ見入っちゃってください。本当に面白い!!(写真はあえて載せませんよ)

ここで絶対に忘れてはいけないのが、2Fのギャラリーです。

川沿いにある建物の横の入り口から2Fに上がると、フランスから来日されたアーティストのKarine debouzieさんのギャラリーが!

がらんどうになった鉄骨造の一部屋に、廃材等を利用して、辰野町の地図を再現しているようです。すごい〜〜どうしてそんなことを思いつくの…Karineさんは会期中の10月27日まで辰野町に住みながら作品を作り続けられるので、作品が成長していく様子を一緒に楽しむことができます。とてもフランクな素敵な方でした。会えて嬉しかったな〜〜。

この日にたまたま行き合った方々と、防犯カメラ(?)で記念撮影!イエイ!

 

ここまで、ベビーカー押しながらでもガンガン進んでしまうほどの高揚感!

次は、①の&garage

こちらはコインランドリーの裏側にある秘密のスペース。普段はダンススタジオとして盛り上がっておりますが、開催期間中は入り口がギャラリーになっています。鉄の扉でドキドキするけれど、勇気を持って開けてみて。

ここは、patchbaysのおふたり、久場雄太さん、金井一記さんによるもの。

ここは、扉をそっと閉めて真っ暗の中で楽しんで欲しい…!

制作現場はこんな感じみたい。何やら面白そうでしょ!ぜひ引っ張ったり、踊ったりしちゃってください。

残るはあと2つになりました。⑤の旧桑澤邸から行ってみます。

こちらの会場は見つけるのが少し難易度が高いです。小道のお散歩が好きな人にはたまらないと思います。

元々民家だった、旧桑澤邸は可愛らしいおうち。やっぱりトビチ美術館のチラシが目印です。

民家なので、「こんにちは〜!」と声をかけて入りたくなりますが、ここもアーティストの一瀬大智さんのギャラリーです。

会場決めでいくつか候補を見てたとき、旧桑澤邸に入り「ここの光の空間がいい」と気に入ったそう。入り口に書いてある、一瀬さんのことばも素敵。

旧民家だった場所をいっぱいに作品が散りばめられています。静かな空間に自分の足音が響き、厳かで何か聞こえるような気がします。これは、実際に会場に行かないと伝わらないはず。
なぜか思わず手を合わせてしまいそうになる、この空気感をぜひ楽しんで欲しいです。

 

最後は、JR辰野駅を目指しながら、最後の会場である④旧安藤精麦(安藤木材)に向かいます。

ここは建物がまずかっこいい!建材置き場だった建物がドーン!と圧巻です。

こちらは、鉄工デザイナーの新井風馬さんのギャラリー。新井さんの鉄でできた、作品の他、ゴミやソコラヘンから美しいと思うものを集めてきて、展示していたというこちらのギャラリー。

グワーンと大きい建物の中に、鎮座する作品たち。無骨な建物に、小さいものから大きいものまで…それぞれが存在感を放ちます。

渋くてかっこいい…けれど、作品の中にこんな文字が。手書きのメッセージから優しさが伝わってきて、ギャップに、癒されて思わず座ってしまいました。

さて、弾丸ではありましたがお天気が良かったこともあり、無事にベビーカーの子ども連れでも全て回ることができました👏

いや〜とても刺激的で楽しかった。使われなくなったものが、空き家・空き店舗を会場としてまた自然とアートという形を通して生活に馴染んでいく。これこそアップサイクルだ〜。なんて大いに納得したのであります。

トビチ美術館は来月11月27日まで開催。会場は商店街全体のため混み合うことはないと思います。だからこそ、密の心配もせず日常のお散歩を楽しみながら気軽に歩いて欲しいです。

やっぱり、このレトロで水面下で変化が激しいこの商店街や町が好きだ。出産してまたこの場所に帰ってきて良かった。そう思ったひとときでした。

同じ開催期間には、辰野美術館にて「誰かのふるさと展」が開催されています。

アートの秋をぜひ、全力で楽しんでください!